技術レベル向上!達成して欲しいチーム目標数値 ②~ストライク率~ ③~スイング率とコンタクト率~

 

目標数値② ストライク率

 

 小学生男子ソフトボール投手の目標数値として、球速比較をしようと思いましたが、動画では難しいし、キャッチャーミット命中率までは分かりづらいので、1番取りやすいデータで指標となりやすい数値として

 

ストライク率=全投球数÷(ストライク(見逃し・空振り)+ファール+インプレー打球)

       目標数値は、65.0%~69.9%に収める事。

 

 

を提案します。

目標数値を見て、意外と「低い!」と思った方もいらっしゃるかと思いますが、上部大会や強豪地区の投手の成績を調査した結果、勝ったチームの平均と全チームの平均がこの65.0%~69.9%でした。

つまり、ほとんどのチームの投手が65.0%~69.9%で投げているという結果でした。

 

 

どうして、65.0%~69.9%になるのか。

調査した中の数値で、勝ったチームと全チームの1回の平均投球数を見てみました。

すると、どちらも同じで1回の平均投球数は13球でした。

つまり、13球中9球のストライクを入れると、69.2%で、65.0%~69.9%に入ります。(8球だと61.5%)

 

よって、ファールを打たれずに3者三振を取ったカウントとしてみると、

 

1人の打者に3球ストライクとボール球1球ずつを投げ、さらに、3人の内、誰か1人にボール球を1球追加で投げられる計算になります。

 

 

 

 

強いチーム程、打者1人に遊び球を1球入れる配球をしているという見方もありますし、良い打者にはボール球も使って抑える。下位打線には、3球ストライク勝負をする。という風に考えても良いのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、試合で投げて欲しいストライク率は、

 

第1位:65.0%~69.9%(文句なし!ナイスピッチング!!)

第2位:70.0%~74.9%(ナイスピッチング!)

第3位:75.0%~79.9%(ナイピ!)

 

第4位:80.0%~84.9%(ちょっと配球を考えなおそうか)

    60.0%~64.9%(まあまあ。あと少し頑張ろう)

第5位:55.0%~59.9%(試合は出来るレベルだったかな)

 

です。

大まかに言えば、55.0%~84.9%までに収まれば、試合は作れます。

55%を切ると、四死球が多くなって試合が崩壊する事が多いです。

 

 

初めの内は、配球関係なく、65.0%~69.9%に収まればOKです。

もっとストライクが入るようになったら、試合では、あえてボール球を投げて、このストライク率になるように配球を考えて投げると良いと思います。

 

 

ストライク率なんて100%投げられるのが1番良いんじゃないの?

 

というご意見もあるかと思いますが、調査した結果、ストライク率が80%を超えると、三振が少なく、狙い撃ちされやすい傾向にあり、打たれる頻度が高くなります。

 

 ストライク率100%で打たれない、あるいは守備で抑えるのは理想ですが、調査した中で、実際、全国大会ベスト8試合で初回だけストライク率100%を達成した投手がいました。

 球速も90km台と速く、チェンジアップもストライクが入っていたのですが、可哀想なくらい相手チームの猛攻に遭い、2点を奪われました。2回以降は、監督・コーチからベンチで言われたのか、捕手がボール球を要求するようになりましたが、相手打線が投球に慣れたのか結局6失点。それでも2点差での敗退だったので、もし、初回からボール球を使っていたら、上手く攻撃を交わせたのではないかと思えて仕方ありません。

 練習試合でストライク率90%を超えた投手もいましたが、11失点していました。

プロ野球でも、ストライク率の高さがニュースになった投手が次の試合でメッタ打ちを食らったという試合がありました。

 

ストライク率は高くなり過ぎると狙い打ちされるので、気を付けた方が良いです。

100%にこだわって、打たれない事が1番凄い」のだからと思って投げるのは結構ですが、それは悪い意味での自己満足ではないかと私は思います。いつかエライ目に遭って、チームに迷惑をかける事になると思うので、十分気を付けて下さい。

 

ストライク率は、あくまで試合を作り、失点0点に近づけるため、打たれないための指標にしか過ぎません。

 

勿論、相手との差があり、自分達の方が有利に進んでいる際は、65.0%~69.9%にこだわらず、80.0%以上のストライク率を出して、どんどん進めた方が良いです。

全国トップレベルや強豪同士の試合で、相手が互角かそれ以上になると、球速だけでは打ち取れなくなるので、65.0%~69.9%にこだわって、あとは、守備力で対応が出来るかという勝負になってきます。 

 

 

なお、失点数が少ないのが、この65.0%~69.9%で、失点はほぼ3点以内に収まります。

もし、このストライク率を達成して、4点以上取られた場合は、バッテリーエラー、守備の乱れ、被盗塁等が4つ以上起きています。チームとしての守備力が足りていないので、ぜひ、次回の進塁阻止数をご確認頂き、進塁阻止数が「+1」以上になるように鍛え上げて欲しいです。

ちなみに、東京のチームの時に、このストライク率を達成しながら、10点程取られた事がありますが、守備のエラー・暴投が10以上起きていました。

 

 

また、プロ野球の平均は、62.0%~63.0%です。

小学生男子ソフトボールの平均より、5%程低いです。

代わりにプロ野球は、下記で書くコンタクト率が70%台と小学生男子ソフトボールより高いです。

それだけ、小学生男子ソフトボールは投手力が高く、打撃力が低い傾向にあると言えるのではないでしょうか。

 

 

 

このストライク率は、投手育成の際にどのくらいまでストライクが入れば試合に出しても問題無いかというような指標にも使ってもらえると嬉しいです。

 

なお、試合に出しても問題無いレベルは、第5位の55.0%~59.9%台です。

このレベルだと与四死球が5つくらいは出てしまいますが、試合はギリ作れます。

また、85キロ以上の球速が速い投手だと勝つ確率はさらに高くなります。

54.9%以降だと試合にならなくなる可能性が高いので、ぜひ、練習から65.0%~69.9%を目指して投げて欲しいです。

 

 

ストライク率を測る練習について、これは、大谷翔平選手がメジャーに行って、行っていた練習メニューですが、単純に20球投げてストライクが何球入るかをチェックして、休憩し、また20球投げてストライクが何球入ったかをチェックしての繰り返しの練習です。

 

初めの内は、1回で20球程投げる事が多いですし、20球だと13球はストライクを入れないといけない計算式で、求めやすいので、ちょうど良いかと思います。

ぜひ、打者を付けて行ってみて下さい。

 

 

 

また、どうしてもストライク率が低かった場合でも勝てる方法はあります。

実際、それは、私が経験したのですが、36.9%のストライク率で勝った試合があります。

 

3回までしか進まず、与四死球は10個。失点は4失点。ほぼ被盗塁とバッテリーエラーで進んでいった試合でしたが、勝てた要因は、ヒットを1本も打たれなかった事です。

三振は6でしたが、4球の打球処理は全てアウトにしていました。

 

つまり、投手のコントロールが悪くても守備でアウトにすれば、勝機は必ずあります。バッテリーエラーを起こしても捕手が素早く処理して送球アウト、3塁時の暴投でも投手のホームベースカバーが早ければ点を与える事はありません。

 

そういう点から、2番手、3番手の投手を投げさせる試合程、レギュラーメンバーが守備にいた方が、守備練習になるという理屈も合うと思います。

 

 

ストライク率が65.0%~69.9%になると、試合はスムーズに進んでいきます。

ぜひ、ストライク率65.0%~69.9%に挑戦してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

目標数値③ スイング率とコンタクト率

 

チーム打撃を測る上で、小学生男子ソフトボールのような試合では、まとまったデータは取りにくく、たった1試合で長打率やOPS等を測ってそれは指標とするのは、違うなあと感じていたので、1試合だけでも測れる、打撃の良さを表す項目を探した所、今の所は、スイング率とコンタクト率が良いのではないかと見ています。

 

スイング率=全ストライク÷(空振り数+インプレ―打球+ファール)

バッターがどれだけ振っていこうとしているかの確率です。

目標数値は毎試合70%以上

 

コンタクト率=スイング数÷(インプレ―打球+ファール)

バッターがスイングした際に(ファールも含めて)ボールとバットが当たる確率です。

 

目標数値は、

・57.1%は全試合超えて欲しい。

・71.4%を超えたら、トップレベルと評価

 

 

つまり、9球中7球は振って、その7球中5球は必ず前へ飛ばすかファールにして下さい。

 

 

というレベルの打者を育てませんかという指標になります。

 

 

なお、プロ野球選手の平均スイング率(2023年打撃トップ50名)でも68.2%。

プロ野球選手のコンタクト率の平均は、77.6%(2022年パリーグ平均)

 

プロ野球選手はスイング数が少なく、かつ、空振りが少ないです。

コンタクト率は最低でも、60%を切る打者はほぼ皆無で、毎年、コンタクト率90%以上で5人程度、80%以上で30人くらいいます。

 

小学生男子ソフトボールで、コンタクト率77.6%をチームで超えるのはかなり難しいですし、個人としても打者でこの数値を超えるのはかなり難しいと思うので、ぜひ、挑戦してみて下さい。

プロ野球選手は、遠くに飛ばす能力だけでなく、どれだけ当てる能力が高いかがこの数値を測れば分かると思います。

 

 

小学生男子ソフトボールの好投手のほとんどは、速球派投手です。

速球派投手に対して、どう対応していくかが攻略のカギです。

球速が遅い投手程、この積極率もコンタクト率も高くなりやすいですが、だからこそ、相手投手の球速関係なく、スイング率もコンタクト率も高い率を目指す事が打撃力の向上に繋がるのではないかと思いましたし、速球派に弱ければ、速球対策が必要という答えも出ると思いました。

 

また、スイング率に関しては、プロ野球の平均より10%程高い目標値にしましたが、これは、小学生の時はぜひ、積極的に振りに行って欲しい。当てられるボールだけを振りに行っていては、打撃力も上がらないという見解で提案しました。

打撃レベルの高い神奈川・広島等の強豪チームの平均は77%台です。70%を超えれば、「振ってくるチームだな」と感じてくるので、毎試合70%は超えて欲しいです。

 

 

コンタクト率に関しては、強いチーム程、空振りは少なく、当てて前に飛ばす選手が多いです。

速球派投手はストレートに自信を持っているので、そのボールを打つことによって相手投手は動揺し、ピッチングが乱れる傾向があります。

ぜひ、もう1つ上のレベルのチームを倒したいなら、ぜひ、このコンタクト率をどんな試合でも57.1%以上出して欲しいです。

 

なお、逆の評価として、コンタクト率が66.6%を超えて0点。71.4%を超えて2点以上取れない場合は、監督の采配ミスが大きく影響していますので、十分ご理解下さい。

 

 

 

当てるだけのバッターには育って欲しくないですが、しっかりと振った上で、最低でも前に飛ばせているかどうかを測り、さらなる打撃向上のきっかけになって欲しいと思い、提案しました。

 

正直、各地区のレベルは違うので、「この地区は、あれでヒットになるの?」なんていう打球もあります。

 

その地区の守備力も含めた上での安打数等は測りづらいですが、このスイング率とコンタクト率は、強い・弱い関係なく、自チームの数値なので、目安になればと思います。