ティーボール大会に出よう!!

前回のお話で、上級生チームになった時に成績を挙げるためには、下級生のレベルアップが必要というお話をさせていただき、今回は、下級生のレベルアップのために、ティーボールを取り入れませんか?というお話です。

 

 

1、ティーボールとは

 まず、ティーボールとは、投手のいない野球、ソフトボールのことで、ホームベース手前にティー台を置いて、プレーする試合です。

 主なルールは、1チーム10人で試合を行い、全員打撃制という全員打ち終わった時点で何点入っているかを2回あるいは3回の表裏で競い、勝敗を決めます。(各大会により3アウト制の試合もあります。)

 ボールは、ソフトボール2号球サイズに近く、最近はやや硬く、重い黄色のボールに変更しています。バットは大ケガにならないよう、柔らか過ぎず、硬過ぎないウレタン素材です。

いつでもどこでも野球が出来るという名目で、体育館でも楽しめるスポーツで、メジャーリーガーの加藤豪将選手をはじめ、若い20代前半のプロ野球選手達もティーボールを経験してきています。

 現在は、学校体育などでも行われていますが、1997年から小学4年生以下の全国大会が毎年、西武ドームで行われています。

 

 

 

 

2、子ども達のティーボールの反応は?

 私は、鹿児島での指導時に、ティーボール大会の参加連絡が連盟からあり、低学年の子達に試合をさせることが出来る!という気持ちから出場しました。

 その初出場の大会では、2引き分けというまれにみる結果で準決勝に進み、3位で賞を獲得した嬉しさから、2000年に初級の審判資格免許を取得しました。

 翌年のティーボール大会では優勝し、チームとしての結果が付いてきたのもありますが、このティーボールをきっかけに、選手達が守備も打撃も上手くなっていった気がします。

 

 鹿児島での当時のティーボールは、柔らかいボールを使用していたため、グローブを使わず、素手で守備を行っていました。

なので、柔らかいボールなので、ボールを怖がらなくなったし、両手で捕ることを覚えられ、そこからソフトボールに戻ると必然と腰も落とした両手でのキャッチが出来るようになりました。

 打撃も、ティーに置いたボールを遠くまで飛ばす力が必要とされるので、スイングもボールをしっかりとみて打てるようになったし、普段、空振りをする子も簡単にボールを打つことが出来、なおかつ、守備は素手なので、塁に出る確率が高くなり、ランナーに出ることで、自分の打撃への自信が深まり、ソフトボールに戻ってから打てるようになった子も多くいます。

 

 投手が投げないだけで、打った後は、ランナーはすべり込み禁止のため、ベースの駆け抜けがOKというルール以外、ソフトボールのルールと同じなので、試合感覚を低学年の内から覚えられることが非常に大きいです。

 

 

 また、ティーボールは、ソフトボールとは違う連盟なので、普段、チームに所属していない子も登録して出場することが出来ます。そのため、チームに入っていない選手の友達や弟、妹をチームに入れて試合をすることで、楽しさを覚え、ティーボールきっかけで、「ソフトボールをやりたい!!」と言ってチームに入った子が何人かいます。ちなみに、その子達は上級生で主力になりました。

 

 現在のチームでもティーボールは行っていまして、大会にももちろん出ていますが、ボールを怖がる子や低学年の入ったばかりの子達のためにティーボールを使って練習したり、レクレーションなどのイベントでティーボールの試合を選手達同士やお母さん達との試合として行ったりしているので、「ティーボール、楽しい!」という子がとても多いです。

 やったことないチームの方には、ぜひオススメしたいです。冬の寒過ぎて練習にならない時や基礎練習として下級生だけでなく、上級生の練習としても非常に有効な練習になりますよ。

 

 

 

3、ティーボールの資格取得は簡単。

 ティーボールの審判は、2人制で行います。主審は打者と3塁のジャッジ。1塁の塁審は、1塁と2塁をジャッジします。

ソフトボールよりも素早く、広い目線の判断が必要となるため、審判資格免許が存在しますが、ティーボールの審判資格は、ソフトボールの審判資格取得よりも圧倒的に簡単ですので、難しく考えないでください。(笑)

 ティーボールの審判資格免許は初級、中級、上級とあり、私は、2004年に1度、中級を取得しましたが、更新が出来ず、初級に戻っています。

 どんな方も初級からの講習になりますが、初級の講習は1日というか、ほぼ半日の講習で終わります。テストもありますが、ほぼ受けたら合格な資格です。(笑)

基本的には実際の試合でのジャッジ講習が多いです。

 

ちなみに、初級であれば、更新の必要はありません。毎年の更新代もありません。つまり、受講時以後にかかるお金はありません。

 ただ、中級以上にランクを上げたい場合は、講習や更新代がかかりますが、全国大会の審判が出来ることや講習会を行える資格を持つことが出来ます。

 なので、ティーボールをやりたいと思った方がいらっしゃいましたら、ぜひ、各都県のティーボール協会に一度、連絡してみてください。

 

 

日本ティーボール連盟 http://www.teeball.com/

 

東京都ティーボール連盟 http://www.tokyoteeball.com/

神奈川県ティーボール連盟 http://www2.ayu.ne.jp/user/teeball/

千葉県ティーボール連盟 http://teeballchiba.blog.fc2.com/

埼玉県ティーボール連盟 ※現在、連絡先が非公表となっており、上記の日本ティーボール連盟に連絡してみてください。

 

 

 

4、ティーボールの全国大会は、小学生野球界のK-1である。

 毎年、8月に行われているティーボールの全国大会は、6年生の部もありますが、メインは、4年生以下のチームよる大会です。

 出場チームは、硬式チーム、学童軟式チーム、ソフトボールチーム、ティーボールクラブチーム、地域団体のチームなどがあり、私は“野球界のK―1”と呼んでおり、K-1のような異種格闘技戦みたいに感じております。

 また、この大会は、ソフトボール連盟や野球連盟と関係ないため、大会出場時に登録を行うので、予選の段階から、単独チームとしてだけでなく、近隣のチーム同士の合同チーム、補強を加えたチーム、選抜チームとしての出場しているチームもあるため、全国大会のレベルはかなり高いです。

 このティーボール全国大会では、予選から守備でグローブを使って守ってOKですので、守備力の高さが上位進出のカギになり、打ち合い合戦のはずの試合が3-2とか2-1という少ない点数差の大接戦になることもしばしばあります。

打撃もただ思い切り打つだけでは簡単に打ち取られるので、守備が捕りづらい、線上や逆方向への打球を打つバッティングセンスも問われる非常にハイレベルな打撃も必要になってきます。

 

 ソフトボールチームは、大阪府、広島県が毎年のように出場しており、埼玉県、福島県、神奈川県も幾度かの出場があります。

 

 

 

5、ティーボール大会では、ソフトボールチームは好成績を挙げています。

 ソフトボールチームは、このティーボール大会で毎年、ベスト4以上に入る好成績を残しており、第3回から大阪府の清水フリーバーズは9連覇、10回の優勝をしております。

 ちなみに、この清水フリーバーズは、6年生チームでは、全松原、大阪松原という選抜チームで、ソフトボールの全国大会でも強豪チームとして名が知られているチームです。

 そのため、ソフトボールチームの優勝回数がダントツに多いのですが、近年は、2012年に広島県の府中南ジュニアソフトボールクラブが優勝して以来、3年間優勝から遠ざかっている状況です。

 

 

 

5、ティーボールの全国大会に出場すると、ソフトボールチームでも全国大会に出やすい?

 

※参考資料より

ダウンロード
ティーボール大会結果(4年生時)とソフトボールの大会結果(6年生時)の関連性.p
PDFファイル 135.9 KB

 ティーボールの全国大会に出場したチームは、上級生になった時、実際、強くなっているのかを調べた所、出場した各チーム、ソフトボールの全国大会に出場したり、各都道府県内レベルでかなりの好成績を挙げていることが分かりました。

 これにより、ティーボールで好成績を挙げることが出来れば、ソフトボールの大会でも上級生になっても好成績を挙げることが出来ることが実証されると思います。

 ソフトボールの全国大会出場を目標にしているチームのみなさん、ぜひ、下級生チームでティーボール大会出場を目指してみませんか?

 

5、だから、少しでも多くのソフトボールチームに出て欲しいんです。

 近年、ソフトボールチームの躍進が少し落ちている原因として、学童軟式の強豪チーム、硬式の強豪チームがこの大会に出場し始めてきました。

 また、ティーボールクラブチームも年間を通して練習しているせいか、守備も打撃も上手く、点の取り方が非常に上手く、毎年、大会のレベルアップを感じております。

 

 それでもここ数年、実際に全国大会を見に行っておりますが、ソフトボールチームの活躍は見ていて嬉しいです。同じソフトボールクラブチームとして、4年生チームをここまで仕上げられるんだという勉強と、2年後の全国大会に出てくるであろう選手のチェックにもなるので。

 

 また、普段、ソフトボールの試合では戦えない、学童軟式チームや硬式チームと試合が出来るのは嬉しいし、楽しいです。

やっぱり勝って、「ソフトボールチームの方が学童軟式よりも硬式よりも上だ!」と言いたい気持ちが大きいのもあります。(笑)

「ソフトボールチームの方が学童軟式チームより、しっかりしてる!」と感じたり、強い硬式チームと当たると、「小学生の内からあんな指導をしてるから強いんだ!」と感じることもありました。

同じ小学生を指導する立場での少し違った視点は、ソフトボールに戻っても生かすことが出来ます。

 

 

 東京都の各地区のチームもですが、神奈川県の各地区や千葉の松戸市や船橋市などもぜひ、予選を勝ち抜いて、ティーボールの全国大会に出て欲しいです。

 その前に、自分のチームを何とか全国大会に出すのが先だと思ってますが(苦笑)、それでも同じソフトボールチーム同士がティーボールという場で活躍していたら嬉しいですし、一緒に切磋琢磨して、ティーボールを使って小学生男子ソフトボールを盛り上げていければ!という思いでいっぱいです!

 

2022年大会は、久しぶりのソフトボールチームの全国制覇でした。広島の翠ソフトボールクラブ、全国制覇、おめでとうございます!!

2022年現在、ソフトボールチームの優勝10回。学童野球10回。硬式野球3回。その他チーム1回という状況です。

学童野球チームに負けて欲しくないので、今後も関東は勿論、愛知、静岡、三重、兵庫、岡山、山口、愛媛、福岡、長崎、宮崎、鹿児島などのチームも挑戦して欲しいと思っております!!!

ご検討下さい!

 

 ソフトボール以外のチームとの対戦も楽しみですが、ひょっとすれば、対戦次第では、同じソフトボールチーム同士の対戦にもなり、6年生になった時の全国大会の前哨戦にもなりえるかもしれません。

 

始めたばかりの子達に向けた初心者向けな指導でも、上手な子達を教えるレベルの高い指導としても使えるティーボール。

ぜひ、各地区で、各チームでティーボールを取り入れていただければと思います。

 

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