やって欲しくない事、やって欲しい事

 

 

 全国大会や他の都道府県の大会に足を運んで、様々な大会、何百試合と拝見する度に、各都道府県のやり方があり、非常に勉強になる事が多かったです。

 しかしながら、大会を確認して、やって欲しい事、やって欲しくない事が色々と浮かび上がったので、ぜひ、伝えさせて頂きたく、記載致しました。これを読んで頂けた事で技術レベルが上がる点もあるかと思いますので、ぜひ、ご参考にして頂ければと思います。

 

 

まずは、やって欲しくない事から。

 

 

 

 

1、離塁が早過ぎるプレーは止めて欲しいです。

 

 投手がボールを離す前に塁から離れることは違反であるのに、違反プレーを犯してまでして点を取って、本当に嬉しいですか?審判がアウトと言わないから問題無いと本気で言えますか?

 

 2010年代後半から、投手がボールを離す前にランナーがリード、あるいは走り出すプレーをよく見かけるようになりました。全国全ての大会を見れている訳ではないですが、各地の大会を実際に拝見したり、YouTubeでも確認しております。愛知県、神奈川県、千葉県、埼玉県、東京都、福岡県のチームで、投手がボールを投げる前にリードや盗塁をして、アウトにならないプレーを何度も確認しました。特に、全国大会でもよく見かける某チームはチームとして統一して、意図的に、そして、何度も繰り返していました。

 

 盗塁のサインが出たり、追いかける展開等では、選手の心が焦って、誤って離塁してしまったケースもあるかと思います。最近では、人数が少ない事から、低学年の内や入ったばかりの経験が浅い内に出場しないといけなくて、技術的に追いつかなくて、離塁してしまったケースもあると思います。

 また、審判も公式審判の方が減少し、お父さん方に御願いする大会もあるので、離塁アウトを取るコールが分からない、ジャッジの仕方が分からない方が多いのかもしれません。公式審判であっても、ご高齢の方が多いので、しっかりと見えていないという点もあるのかもしれません。また、大人と違って、小学生だからという気持ちで流してしまっているのかもしれません。

 

 様々な理由があるのでしょうが、投手がボールを離す前に離塁をする事は違反プレーであり、ソフトボールのルールの中でも有名なルールの1つです。だからこそ、高学年の選手や全国大会に出場するようなチーム、地区でも優秀な成績を残すチームはやって欲しくないプレーです。(正直、そういうプレーが起きると心の中では、「レベルが低いプレーだな」と思ってしまいます。)

 

 

 2022年の春の全国大会で、某チームが何度も投手がボールを離す前に離塁しているのに、審判もアウトコールを取らないし、1試合で5回以上、別の試合でも何度も見逃されている所を見ると、見ているこちらとしては非常に悶々としてしまいました。

 画像は別の試合ですが、このように、何度も投手が投げる前にベースから離れています。

 

 

①1・2塁ランナー共に、投手がボールを離す前からベースから足が離れて、完全にスタートを切っています。

 

 

②この場面でも投手がボールを離す前に、1塁ランナーがベースからすでに離れています。

 

 離塁スタートが早い選手は1人だけではなく、別の選手達も離塁が早いスタートで盗塁をしていたので、指導者が意図的と指導していると思います。

 離塁スタートが早い選手達は皆、「投手のボールを持った手が頭の上に来た時にスタート(ベースから離れる)」していました。実際に、ネット裏から見ると、ランナーの顔を見ていると顎が上がって投手の頭の上を見ており、ボールを離す前からスタートしている事が非常に分かりやすかったです。

下記画像ではさらに、腕を回し始める際に目を切り、投げる前にベースから離れているのが分かります。

 

 このプレーをさせているチームの指導者は、たぶん「ルール違反をわざとしようとしているのではなく、投手がボールを離すギリギリを狙わせているだけ」等の言い訳をするのでしょうし、「離塁アウトと思ったら、審判団がアウトを宣告すればいいだけで、流されているという事は問題無い事」と言うような開き直った気持ちでもいるのかなと感じます。

 

 申し訳ないですが、もし、そういう気持ちで指導されているならば、全くフェアプレーではないですし、子ども達に指導する指導者がそういう精神でいる事自体が問題だと思います。そして、そういう気持ちで勝とうとしている姿も絶対に許すべき事ではないですし、それはスポーツマンシップに反した精神です。

 そんな意識を子ども達に持たせないで欲しいです。そういうチームに全国大会を勝ち上がって欲しくないです。いえ、全国大会だけでなく、通常の試合も勝って欲しくないです。子ども達は一所懸命なので、指導者の言う事を悪いと思ってやっていないと思います。

 

 最近は、大人の試合でも最終回で点を取りたいために、一か八かで投手がボールを離すギリギリ前に離塁して、盗塁を決めようとするプレーがあると聞いた事もあります。勿論、それもフェアプレーではなく、スポーツマンシップに反した精神だと思います。私にとっては、そんなプレーをしてまで勝って嬉しいのかと、甚だ疑問に感じますし、そんな気持ちでプレーして、本当にソフトボールが面白いって言えるのかと、その人の心の奥に聞きたいです。

 

 普通、違反プレーと分かって、点が入ったり、有利に動くと、気持ち悪くなるのが当たり前の人間の倫理観だと思います。離塁が早過ぎても、審判がアウトを取らなかった場合、その選手がベンチに返ってきた時に、「こちらから見たら、離塁アウトだぞ。違反プレーで点が入っても嬉しくないから次は気を付けよう」と指摘する事が私達、指導者が行う事ではないのでしょうか。子ども達の間違った事を指摘して修正する事が大人の役目ではないのでしょうか。

離塁が早過ぎるプレー全てに気付ける訳でもないですが、出来る限り、選手達のプレーを各指導者が普段の練習からよく観察していこうとしませんか?

 

 

 私個人は、「公認野球指導者認定 基礎1 Uー12」を取得しましたが、これからの時代は、自分達のチームが勝つ事だけを求めず、相手チームからも勝ち上がって欲しいと思われるチームになって欲しいし、審判の皆様にも好かれるチームになる。グラウンドにいる全員が「WIN-WIN-WIN」になるチームを目指して欲しいと勉強しました。

トリックプレーやピックオフプレー等までをするなとは思いませんが、ルールの範疇で競い合う事を心から願っています。

 

 勿論、この文章を書く前に、自ら「もう止めよう」と指導されているかもしれませんし、審判から注意を受けてやらなくなった可能性もあるので、どのチームなのかの特定は避けて頂きたいと思います。また、意図的でなく、選手自身が焦って早いスタートをしてしまうチームも出て来ると思いますので、チームを責める事が無いようにして欲しいです。

 

 

 

 出来る事なら1年程で良いので、離塁アウトを厳しく取るように、全国的に審判団で取り締まる方向になったらと思います。日本ソフトボール協会が号令を出してくれたらと思いますが、各地の小学生の部の連盟で声を掛け合って、離塁アウトを1年だけで良いから、離塁アウトはドンドン取ろうという姿勢になって頂けたら幸いです。

 

 

 ただ、変わらず、離塁アウト宣告を覚悟して、投手がボールを離す前に盗塁してくる可能性もあるので、その対処法になりますが、広島市の大会で見かけた、いくつかのチームが実際にやってた方法があり、

 

 自チームの守備時、31番、もしくは32番のコーチ、あるいはベンチの子ども達と一緒に、相手攻撃チームのランナーが出たら、投手が投げる前にリードや盗塁をしていないか、毎回目視でチェックする事をオススメします。

 

 ベンチの役割として、常に相手ランナーの動きをチェックするのは、相手の攻撃作戦を読む策にもなりえるので、私自身も非常に勉強させて頂いた動きでした。

 

 地区の大会でも、ルールを分かっていながら、あえて投手が投げる前にリードや盗塁をするチームも数チーム見かけましたし、対戦した事もあります。ご理解頂きたいのですが、小学生ソフトボールの離塁が早くなると、学童野球並みに盗塁がフリーパスになる状態になるので、面白みが全く無くなります。

 「自分達さえ良ければ」、「バレなきゃ良い。審判が取らないのが悪い」という指導は止めましょうよと声を大にして言いたく、書かせて頂きました。

 

 

 

 

 

2、チェンジ時に線上挨拶したり、審判への必要以上の挨拶は止めるべきでは?

 

 2020年代に入ってからよく見かけるようになりました。チェンジとなって、守備からベンチに帰ってくる際に、フェアーラインを越したくらいで、グラウンドに礼をして、ベンチに帰るチームをたまに見かけます。

 また、三振をした後に、主審に挨拶をして、帰る打者もよく見かけますが、必要以上のマナーを子ども達に指導し過ぎているのではないかと感じています。

  

チェンジ時の線上挨拶については、チェンジして守備からベンチに帰りついた時点で挨拶をして欲しいです。

打者も三振後に挨拶したいなら、ベンチに入る前に一礼して入るくらいでお願いしたいです。

 その理由は、グラウンドが荒れたり、妨害行為をしていると思われそうだからです。

 

 チェンジ時に線上挨拶をしているチームは、素早くベンチに帰るので、一礼をするのもキビキビしていますが、特に1塁側ベンチのチームがスリーフィートラインあたりで行われると、線を足で消してしまっている事もありますし、グラウンドが荒れてしまった事で、ファールの打球がフェアグラウンドに入ってくる打球が生まれたり、例えば、ライトのファールグラウンドからバックホームの返球があった際、そのあたりでワンバウンド返球になると、イレギュラーが起きる可能性さえあります。

 小学生の大会では、ファースト送球の暴投がよくあるので、ライトがカバーして、ホームに投げる事もザラにあるので、プレーの妨げになる可能性もあります。

 挨拶程度で簡単にグラウンドが荒れるとは思わないですが、何人もが何回もやってたら荒れます。

 

 

 三振後にバッターボックスの近くで挨拶するプレーについては、私が見た時は、ランナー1塁で左打者が三振をした後に、打席を少し外したくらいで審判に挨拶をしていましたが、捕手が1塁送球をしようとしていたら、妨害になりそうなくらいの位置だったので、1塁ランナーの飛び出し過ぎを助けたのではないかと勘繰られてもおかしくないようなプレーでした。

 

個人的には、整列の際に審判団に「お願いします」、「ありがとうございました」と言うだけで十分だと思いますし、打席に入る前に打者が主審に挨拶。ファールボール後に審判からボールをもらった投手が主審に挨拶する事等は問題無い範囲と思いますが、ランナーがいる時点での三振後はインプレ―中なので、打者の三振後の主審への挨拶は、出来る限り辞めた方が良いと感じました。

 

 正直、必要以上の礼儀を行って、グラウンドの神様から見返りを求めようとしたり、審判に媚びを売っているようにも見えるました。厳しいコースで見逃し三振の場合は、審判に不服を訴えているという風に思われる可能性もあるので、メジャーなら退場もあり得るのではないでしょうか。

 

 

グラウンドの神様はいると私も思いますし、審判への礼儀は必要とも思いますけど、やり過ぎも良くないものだと思っています。

 

 

 

 

 

3、今しか通用しないプレーはやらない方がいい

 

 2010年頃あたりからやるようなチームがちょっとずつ増えてきた印象があるのですが、ランナー3塁時に、打者が四球となり、打者走者が2塁まで一気に行くプレーをよく見かけます。

 自チームが負けている時に、何が何でも追いつきたい時のプレーなら良いと思うんですけど、これが出来る試合って、キャッチボールレベルが低いチームにしか効かないんですよね。

 このプレーは、正直、レベルの高いチーム同士の試合ではほぼやらないです。

相手の守備の未熟さに乗じて軽々しくやる作戦ですので、キャッチボールレベルが高いチームには失敗するし、中学ではあるかもしれませんが、大学・社会人以上のレベルだと、ソフトボールでも野球でもこのプレーほぼやらないので、小学生の内しか通用しないプレーです。

 

 レベルの高いチームと対戦すると、1・3塁になっても簡単に1塁ランナーが盗塁なんて出来ないです。逆に言えばそういうチームが少なくなったくらいレベルが下がったとも言えるかもしませんが…。

 だからこそ、地区の段階から、1・3塁を盗塁無しで点を取るという作戦はもっとあっていいのになと思うのですが、勿論、「2・3塁にする分はOK」と守備側が諦めちゃっている点もあるかと思います。そういう所からして、簡単に点をあげてしまう、進めてしまうチームが多くなっているのは寂しい限りです。

「何が何でも0点。1つでも次の塁を進塁させない」という気持ちを感じるチームは少なくなりました。そういう気持ちが無いと、大味な試合になるんだとも思います。

 関東地区の試合でよく見かけるのですが、1塁出たら、基本、即盗塁です。キャッチャーレベルの高いチームが関東には非常に少ないので、全国大会に出場した際、キャッチャーの肩が良いチームと対戦すると盗塁が封印されるので、どうやって進めていいか分からなくなるんですよね。1塁時にどうやって進めるかが慣れていないので、点の取り方が出来ない訳ですよ。

 相手の守備の未熟さに乗じてやるようなプレーばかりだと、後々、自分達の首を絞めるだけです。

  

 

 また、西湘地区で見かけたプレーですが、これは1号球使用の2号バットで打てる神奈川ならではと思いますが、武士が腰に据えた刀を振り抜くような形でチョコンと打つチームを見かけました。

結構、速球派の投手が体の小さい子が軽く振って、芯に当てただけで、反発力で外野を超える打球を打っていました。

 神奈川の育成方針は、上のレベルに通用する選手を育成するために、野球ボールに近い1号球を使用していると聞いていましたが、そもそもそんな指導をしていて、上のレベルにホントに通用するのかなと疑問に感じました。

 

 

 色んなバリエーションを持った攻撃方法を持てないと、小学生レベル、地区レベルの選手達で終わりますよと危機感を感じて欲しいと思いましたし、もっと夢ある大きな選手を育成していく事が必要ではないかと伝えたいです。

 

 

 

 

ここからは、やって欲しい事。

 

 

 

4、90分試合なら試合後半のチェンジ時に、グラウンドをならした方がよい

 

 2で書いた、グラウンドを荒らさないようにという話の続きになるのですが、普段、50~70分の試合をしていたせいか、全国大会を観ていて、気付いた点があるのですが、それは、7回やるとグラウンドが荒れてくるという事です。

 最終回に近づけば近づく程、グラウンドは勿論荒れるので、例えば、チェンジ後、守備位置に行く際、ボールを転がして練習するチームがほとんどと思いますが、7回まで行くような試合ならば、5、6、7回とかは、自分のポジションの周りの土をならして整えてあげるのも1つの手だなと感じました。

 全国大会を観ていて、終盤にイレギュラーでランナーを出してしまうケースをよく見かけていたので、石が無いか確認したり、スパイクで走って出来た凸凹があれば埋めるとか、ゴロを捕る練習を差し置いてでもやるべきことではないかなと感じました。

 

 また、余談ですが、2023年夏頃、愛知県西尾市のグラウンドで大量の釘が見つかったというニュースが流れました。

釘がある所に選手が滑り込んで、大けがをしたという事だったので、選手が早く治って、またソフトボールをしてくれたらと心から願っております。

 

 ケガした選手のチームがどうだったかは分かりませんが、これを読んでいる皆様のチームでは、練習、試合の開始前にちゃんとグラウンド整備をしていますか?トンボ、ブラシをしっかりかけたり、滑り込むような所だけ土が少ないというような事は起きていないでしょうか。しっかりとやっている所は良いチームだと思います。

 私も指導者資格を持っていますが、指導者資格を持つ前から、出来る限り、選手達には綺麗なグラウンドで練習、試合をして欲しいと思っていたので、グラウンド整備は率先して行っていましたし、なんだったら、ノック後、ノック前の休憩中に2度3度とブラシをかけることもありました。子ども達も練習開始前は、一緒に石ころが落ちていないか探してくれたり、凸凹している所が無いか確認してくれたりしていました。

 自分達が使うグラウンドなんだから、責任もってケガの無いようにプレーする環境作りは自分達で整えるべきだと思います。

 甲子園でもとあるチームのショートの子が、チェンジ交代で守備に就く際は、ダイヤモンドの後ろから回って守備に入る選手がいました。それだけ自分のポジションを汚さずに、イレギュラーをさせない環境作りを徹底している選手もいます。

 

 グラウンドが荒れた状態で練習すると、ケガも起きやすいし、イレギュラーが多くてエラーをしやすいので、逆に守備が下手になる可能性の方が高いです。

 勿論、グラウンドがどんなに綺麗でもイレギュラーは絶対起きないとも限らないですし、誰が見ても綺麗な状態という所まで出来なくても、出来る限り、グラウンドが綺麗な状態でソフトボールをしませんか?

 

 個人的には、西尾市のニュース以降で、グラウンドに釘を打たないようにとなり、グラウンド作りのポイントが打てなくなる事が非常に怖いです。ポイントが打てないとグラウンド作りに時間を要します。

 最近ではプレートも埋め込めない学校もあるので、練習の質が低くなり、技術力がさらに低下していく恐れもあります。

 

 プレーしやすい環境を指導者も選手自らも作る意識が、さらに技術を伸ばす事に繋がると信じています。

 

 

 

 

 

5、タッチアップ確認しよう

 

 最近は、下級生もレギュラーとして試合に出るチームが多くなった事で、あまり見られなくなったせいでしょうか。たまにタッチアップのプレーがあると、ランナーのベースから離れるスタートが早くなかったか、審判に確認するプレーをほぼほぼ見かけなくなりました。それも全国大会であります。

 これは、中学、高校、大学、社会人、プロでも行うプレーであり、非常に大事なプレーの一部です。指導者もタッチアップがあると予測される場面では、しっかりと相手チームのスタートの早さをチェックするべきと思います。

 例えば、3塁にランナーがいた際に、タッチアップをされてしまったら、ちゃんとサードベース上でボールを持って、審判にアピール確認をするべきと思います。

 

 タッチアップを見かけるケースはなかなか無くなったのですが、2019年と2022年に見た100試合で5度程見かけましたが、確認したケースは2度。(セーフでした)

確認しなかったケースで1度は問題ないと思いましたが、残りの2度はアピールしてたらアウトだったのでは?と思うケースがありました。

 点を取られてガッカリ。ではなく、例え、ホームランを打たれても、ちゃんと打者や塁上にいたランナーがちゃんと塁を踏んでいたかと確認するのも忘れないようにしたいと改めて感じました。

 

 以前、私のチームでセカンドを途中から守った小学2年生の子が、ホームランを打たれて逆転された場面があったのですが、彼がちゃんとベースを踏んでいなかったのを確認してくれたおかげでアウトとなり、逃げきって勝った試合がありました。

 

 2023年春のWBCでも、韓国の選手が2塁打を打った後に、ガッツポーズでベースを離れた直後にタッチアウトとなったプレーがありました。

 

 細かい事ではありますが、そういう細かいプレーを大事にしていきませんか?

 そんなに難しいプレーじゃないし、目立たないし、忘れがちになりやすいのに、やって当たり前と言われるような事ですが、ちゃんと次の世代にもしっかりと繋いでいくべきプレーと思います。

 

 

 

 

 

6、ランナーが2塁に行ったら、セカンドベース上から外野守備位置の確認をして欲しい

 

 実は、これ、小学生男子ソフトボールチームの強豪と呼ばれるチームのほとんどがやってます。そして、このプレーをメジャーで大谷選手がやっていた事がニュースにもなりました。

 高校野球でもよく見かけるシーンですが、ぜひ、小学生のソフトボールチームでもやるチームがもっと増えたらと思っています。

 

 下記、画像は、2021年夏全国大会準決勝・西湘と北諫早ハリケーンの試合。(YouTube動画より)

 3回裏、北諫早ハリケーンがダメ押しの1点を奪う前のシーンです。2塁盗塁を決めた後、画像のようにちゃんと外野の位置を確認しています。

 その後、ボテボテの打球が三遊間を抜けるのですが、3塁を回って、内野を抜けたのを見て、ホームまで一気に返っています。外野の位置を確認していたから、抜けた打球を見てすんなり返れた訳で。

逆にレフトがこの時、前進していた場合、確認していたので、たぶん、打球が内野を抜けてもホームまで返ってはなかったとも思います。

 

 

 強いチーム同士の試合は1つのプレーで勝敗が分かれます。

 関東にいて、千葉や埼玉、神奈川の試合を10年近く観てきましたが、この指導をちゃんとしていたチームは私と横須賀のチームと、あとどっかあったっけ?くらいな、ホント、ごく少数でした。

 大阪、広島、福岡、鹿児島等も拝見しましたが、良いチームだなと思うチームはみんな当たり前にやっているプレーです。

 ランナーコーチの指示に任せるだけでなく、ランナー自身も守備位置は頭に入れておいた方が次の塁を狙いやすいです。

 ぜひ、セカンドランナーに出たら外野の守備位置の確認、ツーアウトになったら、1塁時でも確認をしてください。

 

これは、上の世代になっても野球・ソフトボールをしたい選手は、やれて当たり前なプレーですので、早めに選手自身で出来るようになっている事をオススメします。

 

 

 

 

 

7、外野フェンスの代わりにファールラインにカラーコーンをポール替わりに置いてみては?

 

 これは、広島の大会を見に行って勉強になった事です。外野フェンスを設置して試合はしていなかったのですが、下記画像のように、外野フェンスになる所のファールライン部分に、カラーコーンを置いて、カラーコーンを超えてファールラインを越えたり、コーンに当たったりした場合は、プレー続行。

逆に、カラーコーン前でファールラインを越えたら、エンタイトル2ベースにしていました。

そうすることで、遠くまで飛ばした打球をホームランにしやすくなるので、非常に良い考えだなと思い、掲載させて頂きました。

 

 実際、2023年1月末にあった、千葉県・松戸市のMC杯準決勝・決勝を見たのですが、かなり遠くまで飛ばしたのにファールラインを割って、エンタイトル2ベースになった打球が2つありました。

 もし、これを採用していたら、2つともホームランだったのになあと残念に思った事がありました。

 

 全国各地、外野フェンスを置かずに試合をするならば、カラーコーンを置くだけでホームランは生まれやすくなるので、ぜひ、オススメと感じた次第です。

 

 

 

 

 広島市ではその他、試合前、選手全員がベンチ前に後ろ向きで並び、審判が背番号チェックをして、選手が名前を言って振り返るという作業を行っていました。

 最近では、オーダー表の名前間違いで選手が出れないという事もたまに見かけるので、良い取り組みだなと思いました。全国、同じ小学生男子ソフトボールの試合ですが、各地区、試合の始め方が違うので、大変勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

8、(たぶん、これは行政の仕事と思いますが)トイレの整備をして欲しい。

 

 様々な都道府県の大会を拝見してきましたが、1番困ったのは、トイレでした。

正直に申しますと、訪れたグラウンドのほとんどは、トイレが使いづらい所ばかりでした。

トイレが未だに水洗ではなく、仮設トイレで臭いが凄い所や、トイレまでが遠かったり無い所もあり、大阪ではグラウンド脇のドブにそのまま・・・とか、東京の河川敷のグラウンドでは、草むらで・・・という話も伺っています。

 

もう、令和なのだから、衛生上も性としても、しっかりと考えないといけないと思いました。

 

これは、たぶん、行政の仕事かと思いますが、備えられていない所は、各都道府県で声をあげた方が良いと思います。

SDGsでも6番に「安全な水とトイレを世界中に」という目標がありますから、小学生男子ソフトボールだけでなく、屋外で行うスポーツ全般で声をあげていくべきなのかなとも思います。

 

 

あるニュースでは、女の子がチームに入ろうしたきっかけの1つに、練習会場であるグラウンドのトイレに「ウォシュレット完備されていたから」という理由の子がいたそうです。

「男の子は屋外でそのままでも問題無いでしょ」という方もいるかもしれませんが、身体に関して指導するスポーツだからこそ、トイレがしっかりと整備されているべきなのではないかと思いました。

 

「トイレが荒れると、学校が荒れる」なんて言葉もありますが、野球・ソフトボール界で批判的な声が多いのは、トイレのせいかもしれない・・・というのは考え過ぎかもしれませんが。

プロ野球やアマチュア等が使用する球場のトイレ等はしっかりされていても、底辺の使用するグラウンドのトイレは、使用し辛い所が多いのではないでしょうか。

日本のトイレ問題は、実はスポーツ界にあり、意外と見えていなかった盲点だったのかもしれません。

 

 

勿論、グラウンドのトイレがしっかりと備え付けられている所もあります。

ちなみに、トイレが使いやすいと思ったのは、私が指導していた鹿児島です。

昔からほとんどのグラウンドがしっかりとトイレが整備されていて、綺麗で、水洗でした。

(ウォシュレットの所がどこまで増えているかは不明ですが)

グラウンドによって、大きさは違いますし、和式の所もありますが、簡易トイレのグラウンドで試合をした事は無かったです。

大会の際は、抽選時に掃除当番のチームも決めていたので、トイレットペーパーが無い事は無かったし、石鹸も用意されていて、清潔に使えて、みんなで「来た時よりも綺麗に」を守ろうとしていたとも思います。

 

 

トイレは、大会がある度に、掃除や管理も大変と思います。

不審者や非行で使用されてしまう事もあるので、設置が難しい地区もあると思います。

近隣に管理事務所を設けて、トイレも貸し出すとか、近くのコンビニがその役割を担っているという所もあると思います。

 

理想は、ちゃんと水洗で、暖房便座、ウォシュレット完備、臭いがこもらないように換気もしっかりしていて、スペースも数もある。入口前に防犯カメラを設置する等、安心・安全なトイレ。

また、誰でもトイレもあって、身障者の方や車椅子の方、小さいお子様と一緒にお母さん方も入れるような綺麗なトイレが当たり前に使えるようになれば、子ども達も集まりやすく、親御さん方も見に来やすくなるし、減少傾向にある審判団の方々の環境整備にも繋がると思いました。

 

 

勿論、使う方も汚してしまうのだから、ちゃんと次の人のために汚さないように使用するとか、綺麗にして出るという意識が必要で、それはグラウンド整備の心と一緒と思います。

そういう部分を育める事にも繋がるので、スポーツをしやすい環境は、「トイレ」が重要なのかもしれません。

 

 

スポ―ツを行う環境のトイレの充実を願っています。