「楽しい」には違いがある

 「子ども達に楽しくプレーをさせる事が大事」という話題はよく挙がりますが、この「楽しい」には違いがあり、間違った認識で指導するとその競技継続率が下がる傾向があるのではないかと疑問視しております。

 

 

1、指導経験より

私は、鹿児島と東京で、小学生にソフトボールを指導した経験がありますが、その両チームの比較によって、競技継続率が全く異なる経験をしました。

 

 

<表1>鹿児島時代と東京時代のチームの比較

という状況でした。

 

 

 

2、子ども達が楽しいと思える指導は出来ていた

実感としてですが、鹿児島時代は、指導知識が少なく、精神的な面の指導が多かったですが、東京時代の前は、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、プロ野球と、各カテゴリーの指導を勉強し、技術講習会等にも積極的に参加し、知識面をフルに活用した指導が出来たと感じています。

 

 鹿児島、東京、どちらのチームでも「楽しく勝つ」というモットーを掲げて指導しており、練習メニューには遊び心も混ぜ、子ども達からも好評価を得た指導は出来ていたという自負はあります。

退部者はどちらも7年間で5人未満、子ども達も楽しかった気持ちで卒業し、卒業後もよく遊びに来てくれるOBOGが多かったです。(楽しくなかった所へは帰って来ないと思います。)

 小学生以降の各カテゴリーの野球、ソフトボールの面白さも伝え、小学生で競技を終えることなく、次を見据えた指導(先輩達の試合を見に行く、練習見学に付き添う、技術指導でも野球に繋がる打撃フォーム、守備の動き等)を取り入れていました。

 

 しかしながら、競技継続率を調査すると、大きな違いが発生してしまいました。

 

 

 

3、競技継続率の相違

 

<表2>鹿児島時代と東京時代のチームの継続率の比較(野球、ソフトボールの部活動、クラブチームでも活動)

※継続は、途中退部した子は計算しておりません。東京は、全体ではなく、各カテゴリーに進んだ全体で割って計算しております。

 

という結果になりました。

鹿児島と東京という地域や子ども達の価値観、時代の違い、家族環境、学校(進学)環境等もあるのかもしれません。

勿論、まだ現役の子達もおり、それを差し引いた計算をしたものの、鹿児島時代の教え子達の継続率と比較して、中学で約半分、高校で3分の1の違いが出てしまい、東京での継続率の低下が見られました。

 

 

<継続した子の共通点>

・レギュラーの中でも主力選手(チーム内でも格別上手いと評された選手)であった子の継続率が高い。

・チーム成績で好成績を多く挙げた年の子達の継続率は高い。

・試合出場数の多い子は継続率が高い。

(東京限定:チーム成績が著しくなくても、選抜チームに選ばたり、補強された選手は継続率が高い)

・高校でレギュラーを取れる子は、小学生の時から主力の子が多い。

・自主練習をよくしている選手、練習にまた行きたいと思っていた選手の継続率は高い。

 

 主力選手達はやはり、自分に自信を持ったプレーが出来、チーム成績も良いという事は、自分がある程度この競技で成績が残せるという気持ちが、次のカテゴリーでも挑戦したいと思うきっかけになり、継続したのではないかと思います。

成功体験が多い子程、継続率は高いと言いますが、それを実感しています。

 

 

<鹿児島・東京の教え子達の違い>

・鹿児島時代は、小学生時代、下位打線やベンチメンバー、中学生時代でも下位打線やベンチメンバーだったが、高校であまり強くない所へ行って、即レギュラーになった子もいる。(下位打線を打っていた子も同じ)

・東京時代では主力だった選手が継続しない現象が多くあった。(全国大会に出場した代がいましたが、高校まで継続した子は9名中1人だけ)

 

 

東京のチームの子達が継続しない理由として、「進学した中学の野球部が強豪(または無い)」、「別のスポーツをしたい」という声が多かったです。 東京はチーム数も少なく、全国大会に出場して、他県チームとのレベルの差を感じたのかもしれません。全国大会に出場したチーム以外は、地区大会でもなかなか成績が出ていなかったので、そういうチームの主力では、他チームの選手と比較してしまい、自信は得られなかったのではないかと見ています。

 

 

<東京の教え子達に聞いたアンケ―ト>

卒業した子達10数人に口頭でアンケートを取り、「東京のチームに必要な事は?」と聞いた所、全員が「試合をもっとした方が良い」と回答しました。

鹿児島の平均年間試合数(練習試合含む)は上級生で約80試合あったのに対し、東京では約15試合であり、練習日が多いチームでした。

練習ばかりであると、良いプレーかどうかの判断は、全て指導者の判断次第になってしまい、実際の試合とは食い違う事が多く、選手達の成功体験は少なかったです。

 

 

 

4、東京のチームの子達の継続率が低い理由

以上の状況から、「なぜ、東京のチームの子達は継続率が低かったのか」と考察した結果、「チームとしての活動は楽しかったけど、ソフトボール・野球を好きな子、好きになってくれた子もいましたが、勝つ事、試合での成功体験が少なかった事から、継続したいという気持ちにならなかった子が多かったのではないか?」というのが、私の結論です。

「試合数が少ない」=「成功体験が少ない」。「成功体験が少ない」=「自分の実力に自信が持てていない」という事に繋がると感じました。つまり、中学に上がれば、厳しい指導や遠征が多いチームもあり、ついていけないのではないか?という中学・高校野球の環境に対する不安や他チームから来る子達との中でレギュラーを取れるかという心配毎を払拭出来なかった事に繋がったと思っています。

 

東京のチームの練習時間は、3時間と記載していますが、別競技が前の時間帯で使用していたため、グラウンドに入れる時間から数えるため、実質、後片付けやミーティング・休憩を除けば、2時間30分程度です。

練習時間の短さから、余裕を持って指導出来た事は1度もありませんでした。1分1秒もムダに出来ないと思う事が効率の良い練習を生むきっかけにもなりましたが、上記にある通り、試合数が少ないため、それが試合に繋がる良い練習になっているのかの確認が非常に難しかったです。

 

 

 

5、継続率を上げるには?

 鹿児島・東京で指導した2つのチームでは、「楽しく勝つ」という目標で指導し、子ども達には、「ソフトボールが楽しい」という同じ思いを感じてくれたようでしたが、細かく聞いていくと、2つの「楽しい」が存在している事に気付きました。それは、

 

・「競技が楽しい」という意味での「ソフトボールが楽しい」

・「チームの活動が楽しい」という意味での「ソフトボールが楽しい」(活動参加が目的)

 

です。

競技が楽しいと感じている子は、自主的・積極的にソフトボール、野球についての関心度が高いです。

次のカテゴリーの競技についても保護者の方々や友達と一緒になって見学に行ったり、情報を集めています。

チームの活動が楽しいと感じている子は、「実力に自信がない」、「友達がいるから」、「この期間だけ頑張ろう」という消極的な考え方になっている子が多いのですが、練習や試合が楽しいから毎日来るという気持ちの子が多いです。

 

子ども達に「なんで、ソフトボールが楽しいの?」と聞いて、プレーに関して回答してきた子は競技が楽しいと感じている子「友達と会えるから」等、競技とは別の観点の答えが出たら、チームとしての活動が楽しいと感じている子と分ける事が出来ます。

 

 

 

<表3>「競技が楽しい」と「チームの活動が楽しい」の違い

 

指導者は、競技に対しても、チームの活動としても、どちらの「楽しく」も求めて指導するべきと考えます。

(どちらの「楽しい」があって問題無い)

自主的・積極的にソフトボールを楽しんでいる子であっても、時に、技術に不安を覚えてソフトボールが楽しいと思えなくなる事もあるはずです。そんな中でもチームの活動が楽しいと感じるならば、チームメイトや指導者の言葉や試合・練習を通して成長する可能性があります。

 逆に技術に自信が無い、今だけ頑張ろうと思って「チームの活動が楽しい」から来ていた子が、練習、試合を通していきなり覚醒して、次のカテゴリーでも頑張りたいと思う事だってあるはずです。

 

ただし、継続率を高めるなら、チームの活動が「楽しい」ではなく、競技に対して「楽しい」と思わせる事が1番重要と感じます。「競技に対して楽しい」を感じていれば、次のカテゴリーに進んで、実力差を感じたとしても努力する事が出来るし、チームになじめなくて、そのチームを退団したとしても、競技が楽しいと感じていれば、別のチームで活動したいと希望(再チャレンジ)を持つ事があるからです。

 

 

 

6、競技継続率を高めるには

 競技に対して「楽しい」と子ども達に思わせるには、指導者には下記4つの観点が必要と感じました。

 

①指導者自身が「ソフトボールは楽しい」と本気で思って指導出来ているか。子ども達に伝えられているか。

(試合で勝つ喜び、プレーで貢献出来る喜びを伝える)  →チームの勝利は自信に繋がる。

 

②技術面の向上方法をどれだけ知っているか。

(指導の引き出しの多さ(十人十色に合わせられる指導)が必要) →選手の技術力(実力)は自信に繋がる。(出来る事は何度でもやりたくなる)

 

③相手チームの情報や次のカテゴリー以上の競技についての情報を知っておく。

(相手チームの選手にライバルを見つけて努力する、次のカテゴリーで仲間として一緒に頑張りたいというモチベーション)

(中学、高校、大学、社会人、プロ等の競技の面白さを伝えられるようにする)  →次のカテゴリーの楽しさを伝える

 

④違う道に進んだとしても心から応援出来る心。

(野球・ソフトボールだけが世界だと思わない事。継続を強要しない事。継続しない事が悪と思わない事。)

 →野球やソフトボールの道から外れても、ずっと好きでいてくれる心(楽しかった思い出として残る)を持たせるようにすれば、将来の子ども達に繋げたり、身近な野球・ソフトボールを継続するか迷っている人達の心を後押ししてくれる事にも繋がる。

 

 

①に関しては、 「ソフトボールは楽しい」と子ども達に思わせたいなら、まず、指導者自身がソフトボールを本当に「好き」、「楽しい」、「面白い」と感じて指導しているかが大事と考えます。

日本のスポーツ指導者のほとんどはボランティアです。「任せられたから」、「やる人がいなかったから」で指導者になってしまい、やっていくだけで楽しいのでついつい続いているという方もいらっしゃると思います。

 しかし、好きでもない、楽しくもない、面白いとも思っていない競技であるならば、子ども達がその競技を「楽しい」と思える事は無いと思います。

 

また、「楽しい」、「面白い」には深さがあると思っています。どこまでその「楽しさ」、「面白さ」を知っているか。

ボールを打つ、捕る、投げる、走るだけでしょうか? 誰よりも速いボールを投げる、誰よりも遠くへ飛ばす豪快な面白さもありますし、カットプレーや送りバント、エンドランなどのコンビネーションプレーの面白さ、相手のスキを突く、配球を読むといった頭を使ったプレー、プレーに入る前の準備等々、数を挙げればキリが無い程、面白さを知っている事が重要だと思います。

アニメオタクと呼ばれる人達が大好きなアニメについて、早口で聞き取れなくなる程、そのアニメの良さを嬉しそうに延々と語るように、指導者もソフトボールをどれだけ好きで楽しくて面白いか、延々と語れるだけの本気の愛が必要だと思います。

 

 

 ②については、「下手でも楽しいと思える事が大事」と言う声も聞きますが、全打席三振、全守備機会エラー、全然ストライクの入らない投手、全試合コールド負けで、本当にソフトボールの競技の楽しさを知る事が出来るでしょうか?

競技の楽しさを知るには、やはり「プレーが出来る」事。ヒットを打つ、ストライクが投げられる、打球を処理出来る、アウトにならずにホームまで返ってくる。 何か1つでも子ども達が試合で活躍出来るような技術を身に付けることが競技を楽しいと感じられる事に繋がると感じます。

 

最近では「ウチには上手い選手がいない」と嘆く指導者の声を多く聞きます。礼儀指導、社会に通用する人間形成指導という考え方も分かりますが、ソフトボールで活躍する選手を育てるのは、私達ソフトボール指導者の役目です。

技術指導については現在、書籍から動画など情報が溢れています。経験の有無関係なく、どうやったら子ども達が上手くなるか研究し、根気よく指導する事が重要と感じます。

 

 

 ③で言うと、高校野球の強豪校・大阪桐蔭の西谷監督は、選手達の進路先に対して、どの選手がどの大学・社会人チームに行けば、早くレギュラーが取れそうかという情報を知って、進路指導の参考に挙げているという話をニュースで聞いた事があります。また、毎年、社会人野球の日本選手権(大阪ドーム)へ足を運んで、選手達に上のカテゴリーの野球を意識してもらうきっかけ作りも行っています。

 西谷監督は、中学生へのスカウティングを自ら行っており、各カテゴリーの情報を多く得ている監督さんです。

勿論、同じ高校野球チームの情報も多く得て、勝負に挑んでいますが、指導しているカテゴリーだけでなく、別のカテゴリーも知る事で、選手達を継続的にプレー出来る環境作りのサポートが出来ていると感じます。

 同じように、小学生を指導しているので、自分の住んでいる地域の中学野球・高校野球の情報も仕入れ、どの道に進めば継続的に選手達が活躍出来やすいかという目星をつけておく事だけでも必要な事と感じます。

 

 

④としては、「ソフトボールは楽しいし、面白い」と思って指導しても、子ども達がソフトボールより楽しい、面白いと思うものに出会って、その道に行きたいという気持ちならば、それを応援してあげる事が重要だと思います。

 「ソフトボールは楽しいし、面白い」、だけど、ソフトボールだけが面白い世界ではない。ソフトボールしか知らない人間であると、もし、ソフトボールを辞めた後に子ども達に何も残らない状況になったら、それは、指導者の責任も一部あると思います。

小学生時代、ソフトボールをしていたミュージシャンの方が、女子ソフトボール代表を応援するための楽曲を作成し、そのアーティストファンだったお母様がソフトボールファンとなり、女子ソフトボールの五輪での活躍を知って、娘さんを入部させたという話も聞きます。マンガ家やお笑い芸人、アイドル、政治家になって、ソフトボールの面白さを、知らない人達に伝えてくれている人達もいます。

「ソフトボールは楽しい、面白い」という子達に、ソフトボール以外にも楽しい、面白いという世界がある事を伝える事は、将来の選択肢の幅を広める事が出来、ソフトボールとは関係ない場所で、ソフトボールを知らない人達に、ソフトボールの楽しさを伝え、新たにソフトボールを始めてくれる子達を増やしてくれる事に繋がると思います。

 職場でソフトボールの話が盛り上がり、その方の子どもにソフトボールを始めさせたという話も聞きますが、まさにこれが、ソフトボールを広める事に繋がっていると感じます。

 

「ソフトボールが(競技として)楽しい」と思わせる事は、競技継続率を上げると共に、ソフトボールの楽しさを広める事にも繋がると感じています。

 

 

 

7、まとめ

 小学生のソフトボールは、保護者の方々まで楽しめるスポーツです。だからこそ、保護者の方が熱くなり、土日は毎日朝から晩まで、勝利至上主義に走り、プロ野球の年間試合数より多く試合しているようなチームでは、燃え尽き症候群になって、中学、高校まで続かないという声も聞きます。

 

そのせいか、練習時間を短く、試合数も少ない方が良いという意見をネットニュースでも散見し、先日は年間50試合を

さも多いかのように見せている記事もありましたが、私の経験からして、年間50試合が多い試合数かは疑問に感じます。

「小学生は楽しくさせるだけでいい」、「勝負事にこだわる必要性はない」という声もありますが、そのような指導では競技継続率は上がらないと感じています。

継続率を上げるためには、ある程度の成功体験が必要で、そのためには試合数も多くあるべきと思います。

 

小学生時の指導は、「絶対的勝利主義」や「勝ちにこだわらず、楽しくやらせるだけでよい」の考え方には反対します。

 

「子ども達に楽しくプレーをさせる事が大事」ですが、その「楽しい」とは、いかに、「ソフトボールが(競技として)楽しい」と思わせる事が大事なのだと感じます。

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コメント: 3
  • #1

    ポチ (月曜日, 08 4月 2024 22:57)

    小学生で、ある程度プレーはできるのに、監督の勝利主義のために、もっとうまい子たちばかりが試合に出てしまい、試合に出る機会もないままでは、試合感覚も身に付かず、どんどん差は開き、本人も楽しさを見失ってきています。
    親はどのように導けばいいのでしょうか?

  • #2

    管理人 (火曜日, 09 4月 2024 22:35)

    コメント、ありがとうございます。
    小学生のソフトボールチームに入っているお子様の親御さんと思って宜しいでしょうか?
    ※学童野球や別のスポーツの方だったら、申し訳ございません。

    チーム名は書かれなくても、
    ・どの都道府県(出来れば、市区町村まで伺いたかったです。)
    ・何年生の男の子ですか?女の子ですか?

    が分かるとより一層、細かく返せたかと思います。
    良ければ、お問い合わせでご連絡頂ければ、メールでご返信致します。


    ただ、「導けばいいのでしょうか?」と書かれたので、指導者免許をお持ちの方で、抽象的に「この場合ならどう考えられますか?」という具合でご質問されたと思って、コメントにご返信致します。


    私の回答は、「基礎体力の向上と技術練習を寄り添って楽しみながら練習して、実力をつけましょう。」です

     小学生のスポーツの傾向として、多くの監督さんは、身体の大きい子、能力の高い子を使いたがる傾向にあります。だから、まず、基礎体力を上げましょう。基礎体力を上げるには、運動と栄養と睡眠が重要で、栄養と睡眠は監督さんや他の選手達の目が行き届かないので、差が出やすいです。
    そのために、親御さんには、お子様の栄養と睡眠をしっかり管理する事をお願いしたいです。栄養面なら、「沢山食べなさい」と言うのではなく、「出された食事は残さず食べ終える事」を目標にして、それが出来た上で、おかわりやおやつも追加で食べさせたりして、様々な種類の美味しい食べ物を食べさせて欲しいです。何も値段の高い食べ物を食べさせる事ではなく、白ご飯やトースト、麺類に合うおかずを沢山お子さんにオススメして、様々な美味しさを体験させて楽しみながら栄養を採って欲しいです。(作らなくてもお惣菜を買うでも、アレンジでも良いです。)
    もし、食事量が少なく、どうやったら、食べられるようになるかと思われたら、ぜひ、海老久美子先生の『野球食』を読んで下さい。(全日本野球協会の理事を務める有名な栄養学講師です。)
     また、睡眠は出来れば9時間、最低7時間半は毎日寝て欲しいです。
    これを3か月続ければ、普段の練習もしているはずなので、それだけでも基礎体力は上がると思います。


     基礎体力が上がったり、身長が伸び始めている時は、技術力が高くなる傾向があるので、お子様が「自主練習したい」と言った時に、練習させてあげられるような環境を作ってあげて欲しいです。
     都会の方なら、野球塾に通わせるとか、野球塾が無いなら、バッティングセンターや素振りが出来る場所を見つけたりYouTube動画を見て、やりたいと思う自主練習をやらせてあげられる場所に連れて行って一緒に練習出来ればと思います。
     レギュラーの子がどこかで自主練習しているなら、お願いして一緒に練習するのもありだと思います。

     ただ、食事量が少なく、睡眠時間が少ないとどれだけ自主練習を頑張っても上手くならないので、そこだけ注意して下さい。体力の無い子に技術力は身に付きません。

     あとは、親御さんのお手伝いを必ずする事。親御さんから言われなくても率先して行動出来るようになったら、空気を読むとか、周りを見る力、気付く力がついて、それは野球やソフトボールの様々な場面で使える力になるので、「お手伝いが出来る子」も大事です。


     ある程度プレーが出来るなら、監督さんが「これまでなんで、試合に出してあげてこなかったんだろう」って後悔させるだけの選手になればいいだけと思います。
     極論ですが、試合感覚が無くても、どでかいホームランを打てるだけのパワーや、他の選手が捕れないような打球が捕れる上手さや守備範囲の広さを持てれば、試合感覚がないために起きる多少のミスをしたとしても監督さんは使いたいですよ。

     上記で「個の力」が上がれば、あとは、練習で結果を出せると、たぶん、監督さんも使いたくなるはずです。
     レギュラーを取れないのは監督のせいではないです。上手くなる事の楽しさをお子様がまだ理解出来ていないのと、他のコーチや親御さんが教え切れていないだけだと思います。

     食事の楽しさ、睡眠の大事さ、自主練習の楽しさを体験させたり、上手くならないと見えない世界、頑張った時に見える景色の素晴らしさをお子様に伝えて欲しいと思います。


    ちなみに私は、一度、鹿児島のチームの指導に戻って、ふんわりボールを投げる2番手の6年生投手を指導する事になったのですが、身体が大きかった事もあって、身体の使い方をちょっと教えただけで、すぐに90km近いスピードが出るようになって、3か月後にはエースナンバーを奪った子がいました。私が来た当初は下位打線を打ってましたが、一気に4番に定着しました。

    小学生なら、基礎体力が高ければ、ちょっとした指導ですぐ上手くなります。ぜひ、基礎体力を上げるように導いてください。

  • #3

    ポチ (金曜日, 12 4月 2024 23:08)

    ご丁寧にお話いただきありがとうございました。
    基礎体力と技術の向上に力を注げるようにしていこうと思います。
    お問い合わせの方に、もう少し詳細をお伝えしたいと思いますので、ご助言いただけると幸いです。
    よろしくお願いします。