小学生男子ソフトボールを経験した2020年現役プロ野球選手はどのような進路を辿ってプロになったか?

 

 小学生男子ソフトボールを頑張っている選手の中には、プロ野球選手を目指している選手が数多くいると思います。

現役プロ野球選手の中に、小学生男子ソフトボールを経験した選手は、全体の10%程ではありますが、存在しております。

 

参考:https://syounensoftball1ban.jimdofree.com/2015/09/18/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E7%94%9F%E6%99%82%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%87%BA%E8%BA%AB%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%BD%B9%E3%83%97%E3%83%AD%E9%87%8E%E7%90%83%E9%81%B8%E6%89%8B/

 

 

 では、小学生時代にソフトボールを経験した現役プロ野球選手達(シンシナティ・レッズ、秋山 翔吾選手含む)は、

 

1、中学時代は、硬式野球に進んだのか? 軟式野球に進んだのか?

2、小学生男子ソフトボール経験者がプロ野球選手になったポジションはどこのポジションが1番多い?

3、ドラフトにかかったのは、高卒か、大卒か、社会人か、独立リーグからか?

 

 

という進路を追った調査を行いました。

小学生男子ソフトボール選手達の進路の参考になれば幸いです。

 

 

1、2020年時、現役プロ野球選手、小学生時代にソフトボールを経験した選手は、中学時代、硬式野球を経験したのか、軟式野球を経験したのか?

 個人調べではありますが、

 

硬式野球経験者は、88名中49名。

軟式野球経験者は、88名中38名。

(1名不明)

 

という結果でした。

この結果は、サンプル数が少ない気もしますし、時代によっても変わってくるとは思っておりますが。

 

感想としては、若干、中学時代は硬式野球を経験している選手が多いですが、どちらもあまり大差ないのでは?という印象でした。

小学生男子ソフトボールを経験した選手で、「プロに行きたい!」と思った選手は、中学以降、硬式・軟式どちらを選んだとしてもプロへ進む選手はプロに進むと思って頂けた方が良いのではないでしょうか。

 

 また、所属に関してですが、表は作成しませんでしたが、硬式ではボーイズ、リトルシニア、ヤングリーグ、フレッシュリーグなど様々ありますが、どこの所属が多いというよりも、地元に根付いている、住んでいる近くのチームに行っている選手の方が多く、リーグの選択を特別感じる事はありませんでした。

 軟式では、学校の部活か、クラブチームかという選択もありますが、どちらの選手もおり、強豪私学に進んだ選手(明徳義塾中や常葉橘中など)もいれば、地元の中学で県大会優勝等の好成績を収めた選手もいれば、軟式クラブチームに入った選手もいるし、特に目立った成績がない選手もいました。

 

つまり、やれる環境を探して選択出来る人もいれば、それしかないと選ばざる得ない環境の人もいるので、プロ選手になれるかどうかは、どの道がなりやすいかなのではなく、自分がどれだけ頑張れるか、環境、指導者、友達、家族の了解などが大切なのではないかと感じました。

 

 

では、ポジション別で見るとどうでしょうか。

 

 

 

 

2、小学生男子ソフトボール経験者がプロ野球選手として活躍しているポジション(守備位置)は?

 

 2020年プロ野球日本人選手全体と小学生男子ソフトボール経験のプロ野球日本人選手のポジション別割合の比較を調査致しました。割合を比較して、どのポジションの選手が多く生まれているのかを調査しました。

 この結果から、小学生男子ソフトボール経験のプロ野球日本人選手は、投手よりも野手の方が多く生まれている傾向がある事が分かりました。

 

 「ソフトボールのゴロ打球は、硬式野球のゴロ打球に似ている」という定説や軟式野球や硬式野球よりも近距離で行われるので、投球の体感速度、俊敏性を高めやすく、野手が誕生しやすいのかもしれません。

実際、2019年のプロ野球、12球団の内、半分の6球団のショートが小学生時代にソフトボールを経験している選手でした。

(西武・源田、広島・田中、横浜・大和、日本ハム・中島、オリックス・安達、ロッテ・藤岡)

 

 また、投手の割合が少ないのは、ソフトボールの投手は下から投げるため、上から投げる投手の練習をする機会がない事が原因かもしれません。

 勿論、プロ選手の現在のポジション別で比較しているので、選手の中には、中学・高校時代に投手経験をしている選手もおりますし、野球日本代表にも選ばれている好投手はたくさん生まれているので、「中学生以降は野球をやりたい!」と目指している選手は、キャッチボールから野手の投げ方だけにこだわるのではなく、遊びで数球でもいいので、投手の練習をしているといいかもしれません。(勿論、指導者もそういう練習を取り入れてもいいかもしれません。)

 

 

次は、硬式野球出身と軟式野球出身のポジションの比較です。

 

 これもサンプル数が少ないのと、時代によって変わると思うので信頼性は低いのですが、この2020年現在の比較としては、投手は軟式に進んだ選手の方が多く、野手は硬式に進んだ選手の方が多かったです。

 そもそも、中学時代、軟式出身の投手の方がプロでも多く活躍している傾向があるというニュースが流れている位なので、例え、小学生の時に野球でなく、ソフトボールをしていたとしても、投手として活躍を目指したいならば軟式を目指し、守備やバッティングの方が楽しいと感じるなら、硬式野球へ行く方がいいのかもしれません。

 

※注意点として、上記選手は、2020年現在で選手登録しているポジションです。

中学、高校時代は別のポジションを守っていた選手もおります。

 

 

最後に、小学生時代にソフトボールを経験した選手は、ドラフトにいつかかったのかを調査しました。

 

 

 

3、小学生男子ソフトボール経験者がプロ野球選手になったのはいつ?

  中学時代、硬式野球・軟式野球経験で差がある?

 プロ野球日本人選手835人のうち、全体の高卒出身、大卒出身、社会人出身、独立リーグ出身に分けると、

高卒が約46%、大卒が約32%、社会人が約19%、独立リーグが約4%という割合に対し、

小学生時代にソフトボール経験者であり、中学時代に硬式、軟式経験者がどこでドラフトにかかったかを見ると、

高卒が約40%(硬式約25%、軟式約15%)、大卒が約31%(硬式約16%、軟式約15%)、社会人が約24%(硬式約14%、軟式10%)、独立リーグが約5%(硬式約1%、軟式約3%)という結果でした。

 

 高卒・大卒・社会人卒・独立卒と、いつプロ野球選手になったかをソフトボールを経験したプロ選手とプロ野球全体の割合比較で調査しました。これは、ソフトボールを経験した選手は、野球に慣れるまで時間がかかるから、高卒からプロへは入りにくいのではないか?という疑問に対しての検証だったのですが、確かに、高卒から入る割合は5%程の差はありますが、ほとんど差がないと言ってもいいのではないでしょうか。

 

 また、中学時代に硬式を経験したか、軟式を経験したかでの違いという点を見ると、こちらもそこまで大差は出ませんでしたが、小学生時代にソフトボールを経験した選手の中では、中学時代に硬式を経験して高卒でプロになった選手が割合として1番多かったです。

 そういう点から、小学生時代にソフトボールを経験したとしても、高卒からプロに入るのは難しい訳ではないと言えるのではないでしょうか。

 勿論、この結果もサンプル数が多い訳ではないので、数年後には変化する可能性は高いですが、小学生時代のソフトボール経験は、プロ野球選手になるためのビハインド(不利)を感じる事はないと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

4、小学生男子ソフトボールチームからプロ野球選手を輩出している都道府県別順位

 

 最後に、小学生男子ソフトボールチームからプロ野球選手を輩出している都道府県はどこが多いのかを調査しました。

 

 

 

 このHP上では、どこが1番全国大会で勝率を挙げているのかというページもありますが、<全国大会勝率順位>(https://syounensoftball1ban.jimdofree.com/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E5%8B%9D%E7%8E%87%E9%A0%86%E4%BD%8D/

 

全国大会順位を見て、技術力向上を狙っておりますが、プロ野球選手をどれだけ輩出出来ているか?を競い合う事で技術レベルを上げ合うのも良いのではないでしょうか。選手がいつ辞めるか分からない世界ですから、毎年のようにドラフト指名を受ける選手を育成する指導、環境整備目指しませんか?

(本来であれば、男子ソフトボールの日本代表、トップリーグの検証もしたいのですが、情報が見つからないため、作成出来ません。情報公開、お待ちしております。)

 

 

今後の目標としてはこの2つを掲げられたらと思います。

1つは、小学生男子ソフトボール出身のプロ野球選手の平均在籍年数は、6.8年でした。

全体のプロ野球選手の平均在籍年数は、8.9年

出来る限り、長くプロ野球選手生活を送れる選手を育てる事。

 

もう1つは、小学生男子ソフトボール出身のプロ野球選手を20%(約170人)まで上げる事。

それが出来るように、指導者の皆様方と共に切磋琢磨出来たらと思います。

 

 個人的には小学生の指導とは、数年後の活躍する選手を育成する場でもあると思っております。

数年後に売れるヒット商品を作る業界の考え方と何ら変わりないと思っております。

チームを勝たせる事、選手を育成する事。その両立を図れたらと思います。

 

 

 

 

5、小学生男子ソフトボール選手達の今後の進路について

 このような結果から、小学生時代にソフトボールを経験してもプロ野球選手にはなれる事が強く伝わって頂けたら幸いです。

では、どうすればプロ野球選手を育てる事が出来るかという結論ですが、申し訳ございませんが、これは、現在も研究中です。私はまだ分かっておりません。このページの結果は、ただの結果論にしか過ぎません。ただ、この結果を受け止めながら、私自身も今後の指導に活かせられたらという思いで、このページを作成しました。

 

 また、そもそも、私もまだプロ野球選手を輩出出来ていません。最高でも、甲子園で優勝したレギュラー選手、大学でレギュラーを取った選手がいる程度のレベルです。(余談ですが、私の教え子は強豪校に行くよりも弱い学校へ進学し、1年生からレギュラーを取り、長く楽しくプレーして、チームを上位に導く選手が多い傾向があります。)

 

 ただ、そういう上のレベルまで進んだ選手の特徴としては、上手くなりたいという気持ち(向上心)をいつまでも持ち続けていた事。どうすれば上手くなるか自分で考えて行動出来る選手という共通点がありました。また、ご家族の協力も一所懸命だった事も印象的でした。朝早くからお弁当を作ったり、応援に出かけられたりしていましたが、それは苦でなく、子どもと一緒に楽しみながら野球人生を歩んでいたように思います。

 

 

また、ここからは個人的見解になりますが、今の教え子達に進路について伝える際は、

 

 

1、自分の気持ちを考える。

  自分がやりたいのは、硬式野球? 軟式野球? ソフトボール? その他の何か?

 

2、やりたい事が出来る環境に行けるか?

  住んでいる近くにその環境がある? 遠い環境でも行きたい? 自分でチームを作る?

  (※家族の協力を得られるか?)

 

3、指導している人はどう?

  指導しているその監督、コーチ、先生に指導されたい?

 

4、仲間達はどう?

  ソフトボールを頑張ってきた友達と一緒にやりたい?

  ライバルだった相手チームの人達と一緒にやってみたい?

  所属しているチームの先輩達とやってみたい?やってみたくない?

  自分1人で新しい環境に飛び込んでみたい?

 

 

という視点を伝えています。 

1~4で、どれも全部あれば最高ですが、どれを1番重視してやりたいかの選択を迫られる事もあると思います。

その際に、重要なのは、進みたいと思う道を先に見ておく事。自分がその道で上手くいくイメージが浮かぶか?(頑張っている自分を想像出来るか?)です。

 

やりたい、行きたいと思う場所を進学前に見ていると、安心感が生まれたり、計画を立てる事が出来ます。

逆にここでやりたくないとか、上手くいくイメージがわかない等、不安や心配を感じる事も出来ると思います。

そういう道は選ばなければいい。後々分かるよりも先に分かる方が、選択肢も楽になります。

 

東京で指導していた所は、中学受験の街であったので、小学4年生時には、中学はどこに行くかを本人達に聞いていました。

実際に、休みの日にオープンキャンパスに行った子や、卒業生の中学野球の大会や練習を見に行かせた事もありました。

行きたい学校が頭の良い学校だったら、勉強が必要になるので、6年生時に考えるのは遅い可能性もあります。

 

 

 

また、これを行っている指導者の方は少ないかもしれませんが、ぜひ、皆様にオススメしたいのが、

 

卒業生が中学生、高校生、大学生になり、野球やソフトボール生活を終えた子がいたら、ぜひ、インタビューアーになった感覚で、色んな話を聞いてみて下さい。

 

今後も選手生活を継続する子達は不要でもいいですが、選手生活を引退した子達に対して、

 

・過ごしたチームの野球・ソフトボールは、どんな野球・ソフトボールをしていた?

(監督・コーチはどんな指導をしていた? 技術指導、生活指導、変わった練習メニュー、楽しかった事、辛かった事)

・今後、教え子が君と同じチームに進むとしたら、どんな事をやっておくべき?(アドバイスはある?)

・なぜ、選手生活を辞めようと思ったのか?

・中学生、高校生、大学生の選手生活でレギュラーが取れた理由、レギュラーが取れなかった理由

・どうすればプロまで行けたと思うか?

・選手生活を終えて、小学生のソフトボール時代には何をやっておくべきだったか?

・今の小学生ソフトボールを頑張る子達には、今、何をしておくべきか

 

などを1時間以上かけて、ご飯を奢りながらでも、ぜひ、伺って欲しいです。(出来る限り、引退後早めが良いです。)

これは、自分の指導で巣立った子達が、次のステップに行って、本当に繋がっていたのかの確認が取れる事。どうすれば、上のレベルの指導に対して、難なくこなせる事が出来るかなどが分かり、今後の指導に繋がる、非常に貴重な財産になります。

 

OB・OG達と繋がっている事で満足してしまっている方もいるかもしれませんが、この話をしっかりと聞いて、今の子達の指導に繋げる事が、OB・OG達への報いに繋がるし、それがご自身にしか出来ない指導の伝統になっていくと思います。

私の指導も実は、この教え子達の想いを大切に指導している部分が強いです。

 その積み重ねが、良い選手を生み出す指導に繋がったりするので、ぜひ、引退したOB・OG達へのインタビューをオススメします。

 

 

 

 また、「僕には野球しかない!」というような子には、「やりたい事が無くなった時、頼れる何かがあるか? 別のやりたい事はなるべく早く見つけなさい」というような事も話します。野球命は素敵な事ですが、「それしか知れていないのか…」という寂しさも感じます。

世の中には、面白い事、楽しい事はいくつもあります。私もいくつか知っているつもりです。その上で、小学生のソフトボールが1番面白くて、楽しいと思っています。

私は、ケガをして、選手として野球を出来なくなったのですが、指導者の道が助けてくれました。

また、音楽やお笑いも好きで、そこから繋がった人達から学んで、指導に活かしている事もあります。

野球以外にも趣味を持っているプロ野球選手達もたくさんいます。

色々な角度から野球を見てこそ、本当の野球命になるのではないでしょうか。

 

 

 私の教え子の中には、野球を続けた子は多くいますが、夢を持って、野球以外に進んだ子もいますし、高校の野球部でいじめにあって辞めた子もいます。それでも「小学生時代のソフトボールは楽しかった思い出しかない」と言ってくれる子もいるし、特に連絡もなく、どこで頑張っているか分からない子もいます。

 

人生論ではありますが、君の人生は君の物なんだから、自分がやりたいと思うものを一所懸命取り組んで、楽しい人生を送ってもらいたいというのが指導者として、どんな卒業生にも思う本音です。

 

今後も今、指導している子達をプロ野球選手になってもらえるように指導は頑張りますし、今後も野球をやっていて欲しい、野球を好きでいて欲しい気持ちで指導します。

例えどこかで選手を辞めたとしても、違う何かを頑張っていてくれていたら嬉しいし、会えなくてもどこかで楽しく生きてくれていたらそれほど嬉しい事はないです。

頑張った子も上手く出来なかった子も、どの教え子達も分け隔てなく、可愛いと思っております。例え指導の期間が短かったとしても、一緒に楽しんだ、頑張った小学生ソフトボール時代が私にとっても思い出です。

 

 教え子だけでなく、今もどこかでプレーしている子ども達には、小学生の時にソフトボールを選んでくれた事には感謝しかありません。

卒業した後、自分の人生の道を選ぶのは自分です。私も含め、お互い、責任を持って、自分のやりたい事を納得いく、終わるその日までやり遂げる人生にしような!って想いしかありません。